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心臓弁膜症ネットワーク第1回交流会レポート
7月21日、神保町ブックセンターにて、「心臓弁膜症ネットワーク第1回交流会」を開催しました。
今回は、心臓弁膜症ネットワークのご紹介、心臓弁膜症ネットワークの事務局を務めている一般社団法人ピーペックのご紹介に続き、みやびハート&ケアクリニック院長 渡邉雅貴先生によるご講演、昨年末から今年にかけて行った心臓弁膜症アンケート結果報告、そして専門医+心臓弁膜症当事者によるパネルディスカッション、そして参加者交流会を行いました。当日の様子をレポートします。
心臓弁膜症ネットワークのご紹介
心臓弁膜症ネットワークのご紹介では、代表理事の福原より、本会設立に至った思いや活動内容をご説明しました(設立にあたっての代表理事のご挨拶はこちら、活動内容についてはこちらもご覧ください)。
みやびハート&ケアクリニック院長 渡邉雅貴先生によるご講演
みやびハート&ケアクリニック院長 渡邉雅貴先生によるご講演では、心臓弁膜症の基礎的な知識や付き合い方について、単なる知識にとどまらず、どのように異変が生じるのか、病態や機序についてのロジックを教えていただきました。
例えば、3葉で120度ずつに分かれている大動脈弁。なぜ120度なのかというと、それは圧力が最も効果的に分散される形であるからです。
他にも、大動脈弁狭窄の解説の際は、指で500円玉大の輪を作り、口につけて息を吹き込んでみて、大動脈弁の気持ちを体験してみたりしました。
僧帽弁閉鎖不全症については、冷房の効いている部屋(心臓)とドア(僧帽弁)の関係に例えて解説いただきました。ドアが壊れていたら、冷房が効かないので温度を下げる(エネルギーをたくさん使う)必要があります。これがオーバーロードした状態が心不全です。
また、心臓弁膜症に罹患した人は、息切れ等の症状が見られますが、これが自然に回復してくる(ように思える)ことがあります。これはadjustability(アジャスタビリティー)といって、潜在意識で負担のかかる行動(運動など)を避けるようになり、行動変容が促され、結果的に息切れ等の症状が見られなくなることを言います。
これは客観的に判断することは難しいため、心肺運動負荷検査という検査で客観的な指標をもって臨床に生かすことができるという紹介もありました。
心臓弁膜症の基礎知識に加えて、心臓弁膜症をもつ人が注意すべき疾患「感染性心内膜炎」についてもお話いただきました。
疾患の解説にとどまらず、医師とのコミュニケーションを円滑にするためのヒントもたくさんいただきました。
心臓弁膜症をもつ人は、医師と長く付き合っていくことになります。医師と話すとき、病気の症状だけでなく、自分のライフイベント(趣味の活動や引っ越し、子供の結婚、生活の変化など)を共有することで、よりよい治療を共に選択していくことができます。
「心臓弁膜症のある方に関するアンケート調査」結果報告
一般社団法人ピーペック理事(CKO)武田飛呂城より、2018年11月25日から2019年1月31日にかけて行った「心臓弁膜症のある方に関するアンケート調査」結果報告を行いました。
本調査は、弁膜症の患者さんの現状を知ることで、治療や病気に関連してどのようなニーズをお持ちかを明らかにし、よりよい療養環境実現のための一助とすることを目的としたものです。
詳細な結果は、次回の会員限定コンテンツで配信します。
パネルディスカッション「弁膜症治療のこれから」
パネルディスカッションは、代表理事の福原、理事の鏡味(詳細プロフィールはこちら)、渡邉先生をパネリストとして、「心臓弁膜症のこれから」についてディスカッションしました。進行は、ピーペック 代表理事(CEO)宿野部が務めました。
それぞれの自己紹介を通し、心臓弁膜症と診断されて生活の中で変わったこと、そこから今の自分らしい生活を取り戻すきっかけとなったことについてお話しました。
渡邉先生からは、心臓弁膜症と診断されて起こる、患者の精神的な不安についてお話しいただきました。また、療養生活の伴走者となる医師と円滑な関係を築いていく上で重要な、魔法の言葉についてもご紹介いただきました。
渡邉先生によると、
1.反復+「どうして先生はそう思われるんですか?」
2.「先生は、先生のご家族がそうだったら、どうされますか?」
この2つが、人生の伴走者である医師とよい関係を築く魔法の言葉だそうです。
一つ目は、まず反復することで医師の話を理解しているということを伝えます。そして、「どうして~」の質問で、医師が自分のロジックを展開する時間をつくり、患者に再度分かりやすく説明してもらうというものです。
二つ目の言葉は、医師が医学の道を志した時の初心を思い出させる質問です。周りの大切な人のことを考えたとき、何を重要視して治療を選択していくのか。一人の人間としての医師の考えを聴くことができます。
ぜひみなさんも、今後の治療生活で何かを選択しなければいけない際に、思い出してみてください。
その他にも、「経過観察」と言われて不安だという意見に対し、医師はしっかりとした根拠があって経過観察と伝えていることを教えていただきました。1年後でも大丈夫な患者さんについて半年ごとのフォロー、3年大丈夫な患者さんに1年ごとのフォローをしているということです。
参加者交流会
参加者交流会では、一人ひとりの自己紹介から医師との関係、日々の生活での困りごとなどを共有する場となりました。
限られた時間でしたので、まだまだお話したかったという参加者の方もいらっしゃることと思います。心臓弁膜症ネットワークに会員登録いただき、オンラインの会員コミュニティPPeCCサロンでも交流いただければと存じます。(会員登録の詳細はこちら)
参加者の声
当日アンケート集計結果、ご感想の一部をご紹介します。
多くの方にご満足いただけました。感想で特に多かったのは、普段聞けない当事者の体験談を聞くことが出来てよかったという声です。
心臓弁膜症をもつ人同士での交流の大切さが改めて確認された形です。
ご感想・ご意見(一部)
・特に手術前の患者様が受けられることは有意義だと思います(60代・女性)
・全体的に役に立つ内容が多かった。患者の経験に裏付けされた意見には説得力があるのは当然で、定期的な交流の機会があればよいと考えます。(50代・男性)
・普段聞くことのできない当事者さんの話を聴くことができて良かったです。(20代・女性)
・とても有意義な時間を頂けありがたかったです(70代・女性)
・同じ病気の方々が集まって有意義な時間がすごせてよかった 前向きな気持ちになれたし、医師の話も聞けて知識をえられてよかった(50代・女性)
・とてもすばらしいセミナーでした。ありがとうございました。(80代・男性)
おわりに
当日は23名もの方にお越しいただきました。ご来場いただいた皆様に御礼申し上げます。ご講演をお引き受けくださった渡邉先生、ご協力いただきありがとうございました。また、日頃より心臓弁膜症ネットワークの趣旨にご賛同いただき、ご支援いただいている関係者の皆様も、お越しいただきありがとうございました。
心臓弁膜症ネットワークは、今後もこうした活動を通し、心臓弁膜症をもつ人の生活、そして広く疾患をもつ人の生活も考えていきたいと思っています。
今後の企画もウェブサイトで発信していきますので、今回都合が合わず参加できなかった方も、ぜひお越しください!
Twitterアカウントもあります
活動報告 「心臓弁膜症ネットワーク第1回交流会を開催しました」を更新しました。 https://t.co/Z7ODoUhi8U #弁膜症 pic.twitter.com/LgCjLggCkT
— 心臓弁膜症ネットワーク (@hvv_jp) July 29, 2019
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